おおむね何もやりたくない

twitterで書くのもどうかと思ったことを書くはず

音楽レビューサイトの話

どうもこんばんは、あやちゃんです。裁判以外のことを書こうと考えたので書きます。実は俺、匿名希望ってオルタナバンドでドラムやってるんですよ。ほんとだよ。HPのリンク下に貼るからガンガン見てくれな。

tokumeikibou.tokyo

 

バンドマンっぽい記事というとやはり音楽の話なので、音楽レビューサイトの話を書こうかと思います。
皆さん、音楽の情報ってどうやって集めてるでしょうか。今ならYoutubeで関連動画を探したり、Applemusicとかspotifyをあさったりして気軽に大量の音源を視聴できるのでずいぶん楽になったなーと思います。
しかしyoutube以前はそうもいかなかった。北海道の片田舎に住む学生にとって、TVとかに露出している一部のミュージシャンを除けば試聴する機会なんて中々ない。そんな中で音楽をディグる手掛かりというと、基本的に文字情報です。いわゆる音楽レビューというやつです。例えばrockin'onとかの雑誌だったり、ライナーノーツだったり、お店においてるフリーペーパーだったり。
そんな中、自分が音楽をディグる手掛かりとしてぶっちぎりに参考にしていたのがインターネットの海に乱立していた音楽レビューサイトです。ブログとかSNSでもなく、個人サイトというやつです。俺の実家には2003年くらいからインターネット環境が整ったのですが、当時の俺は12歳くらい。ちょうどよく音楽に興味も出てきたころ合いだったのと、昔っから文字を読むのが大好きだったこともあり「音楽 レビュー」とか「音楽 ミスチル レビュー」(当時ミスチル好きだった)とかのワードをYahoo Japanに打ち込みまくり、異常な熱意で音楽レビューサイトを読み漁るという毎日を送っていました。音楽レビューサイトを読む⇒近所のゲオか古本屋(2005年くらいからゲオがTSUTAYAに変わった)で小遣いの許す限りCDを漁るという一連の流れが俺の10代の3割くらいを占めていると過言ではないです。そして当時全盛期を迎えつつあったモバゲーの日記とかにめっちゃ感想を書きまくってた。1週間でCD5~10枚分くらいは書いてた。おかげで当時の友達がほとんどいない。
今もなんですけど人の音楽レビュー読むの大好きなんですよ。特にポエミーなやつ。例えばworld’s end girlfriendの有名なAmazonレビュー、「世界の終わりを大好きな女の子と眺めている感じ。」から始まる奴。これです。

https://www.amazon.co.jp/review/R2X3EH2Q7LX543

こういうの大好きなんですよ。馬鹿にされがちだし、18世紀の詩人かよと突っ込みたくなる気持ちはわかるのですが、18世紀の詩人良いじゃないですか。文学ですよ、音楽レビュー文学。まじめな話、出来のいい音楽レビューポエムはいい感じにこちらの購買欲とか聴く際のエモなどを煽ってくれるので実用性もあると思うんですよね。だからこそロキノンは2万字インタビューとかやってるんだろうきっと。

さておきですね、当時参考にしていた音楽レビューサイトの数々には感謝しかないわけです。無かったら絶対バンドマンやってなかったし、もうちょっと友達も多くて社会的地位も高かったと思う。明るく爽やかなスポーツマンの父親とかになってたと思う。なのでここで感謝の意を込めて俺が特によく見てたサイトたちを紹介します。閉鎖してるとこもありますがアーカイブで大体見れるので気になった方はぜひ。

 

UK_STYLE

www.geocities.jp

まずは最も参考にしてた、というか今でも結構参考にしてる「UK_STYLE」。2008年にブログ形式に乗り換えたのですが、ブログもすぐ更新を停止してしまっていますRadiheadにはじまる90年代あたりのUKオルタナ勢とプログレ方面がとにかく強いサイトでした。60s,70sのバンドベスト10なんていう荒れそうかつキャッチーなコンテンツがあったりするのもグッドです。個人サイトらしく100の質問もあってバランスが良い。とにもかくにも最重要なのはレビューの質なわけですが、文学少年のハートをがっちりつかむポエミーな表現力に加え、音の具体的な解説だったり周辺事情まで詳しいすんばらしい書きっぷりなんです。わかりやすくS~Eのランク付けしてくれているのも痒いところに手が届いていて嬉しい。あまりにも影響を受けすぎているので俺の音楽の好みを知ってる人はこのサイトをみたら結構笑えると思います。多分8割くらいはこのサイトの影響で好みが固まった気がする。ディグる参考という意味では特にプログレ方面がいいですね。例としてPFMの「Photos Of Ghosts」レビューからの引用。

まず一曲目「River Of Life」が珠玉の名曲。バロック調のアコースティックなイントロから始まり、フルート、キーボード、チェンバロ、ベースと徐々に楽器が加わっていき、高まりきらないうちに突如悲劇的なブレイク。その瞬間的な音圧と切れ込むヴァイオリンのあまりに素晴らしい旋律には敬服。まだボーカルの第一声も入りきらない開始二分でKO確実。クラシカルな旋律の美しさに惹かれっぱなしのメロディーパート、中間部の軽やかなフルートとギターの競演を経て、再びメロディーパートへ。メロトロンの奏でるラストパートは、圧倒的なドラマとダイナミックさに表現する言葉すらみつからない。頭のてっぺんからつま先まで全てが完璧で感動的なシンフォニー。イタリアのみならずプログレッシヴロックを代表する名曲中の名曲である。

これですよ無料でこの詳細なレビューが読めるわけですよ。音の中身をかなり具体的に書いてくれてるので試聴環境のない中学生にとってはこれほどありがたいものもなかった。あとポエム方面だとELLIOTT SMITHのレビューが最高です。レビューしてるアルバムの内容を全部通して読むと今でもグッとくる。「XO」レビュー冒頭の

誰かに恋をする。時にその人の他には何もいらないとまで感じるほどに愛することがある。俺は今まさにそれなんだ。

とか凄いキュンキュンしますね。俺のELLIOTT SMITH好きはこのレビューポエムでかなりブーストがかかってる気がする。「Roman Candle」から「From A Basement On The Hill」までぜひ通して読んでほしい。18世紀の詩人みたいなレビューはほんとスゲーんだよ。ここの管理人のパンジーさんがミスチル大好き人間じゃなかったら、俺はここまで音楽好きになってなかった気がするのでいわゆる恩人ってやつですね。パンジーさん、万が一にでも見てたら、口座番号教えてください。1万円くらい振り込んどきます。あと末期の頃にBBSに生息していたなれなれしい中学生の片割れが俺です、ごめんなさい。

 

ROCK WITH ROCK

http://www.geocities.jp/patapata0511/

「ROCK WITH ROCK」。ここも最終更新が2008年で悲しい。ちなみに紹介するレビューサイトは大体「UK_STYLE」のリンクから飛べます。昔の個人サイトにはリンク集ってのが付き物だったんでな。このサイトも90Sオルタナが強めなのですが、「UK_STYLE」よりはメジャーよりな印象。ロキノンから少しまる音スーパーでラックスに寄ったというかなんというか。日本勢のオリコン常連みたいなミュージシャンも書いててくれてるのが助かった記憶があります。ここのレビューを読んでライムスターとかEMINEMをゲオでめっちゃ借りたのは温かみのあふれる記憶です。ミクスチャー以外のラップミュージックを少しは聞くきっかけになったのでとても感謝している。あと高校時代にNINE INCH NAILSにドはまりしたのもここの影響だった記憶。淡泊なレビューを書いていたようなイメージがあったのですが、今読むと思い入れのあるミュージシャンのレビューはポエムポイントが上がってとても好感が持てる(アートとか)。いやまあ、誰だってそうなるとは思うけど

 

Chaos In Music

http://www.k2.dion.ne.jp/~cim/top.html
(閉鎖)

「Chaos In Music」。残念ながら閉鎖してます。70、80年代あたりの有名どころブルースロック勢が強かった印象のサイト。だったんですがあらためて見るとサニーデイ、ミッシェル、ゆら帝あたりはここ見てレンタルしたなーとか思い出しました。意外とロキノンで紹介されてそうなバンド多かった。アーティスト別レビューの情報量はそこまでなのですが、白眉なのは「Masterpiece」というコンテンツ。年代ごとにロック中心の代表的なアルバムをこれでもかと紹介していてとても助かる。これのおかげで親世代のロック好きと話すのにだいぶ困らなくなってる気がするので俺のささやかなコミュニケーション能力に一役買ってくれているとてもありがたいサイトでした。

 

MIXED BAG

mixed-bag.net(音楽レビューのコンテンツは消滅してる模様)

「MIXED BAG」。今は音楽コンテンツが消えて完全に古着屋のサイトになっちゃってるみたいです。ここの特徴は圧倒的なレビュー数。ポエム要素は無いものの簡潔でわかりやすいレビューを膨大なアルバムに対して書きまくってる。ほんとメジャーどこからそこそこマニアックなとこまで広範囲のジャンルにわたって膨大なんですよレビュー量。ポストロックとかエレクトロニカ寄りの音楽は大体ここを参考にしてた記憶があります。中学生のころはこの人よりたくさん音楽を聴いてやる!みたいな対抗意識を抱いていたような気もするけど未だにこんなには音楽聞いてないなーという気がしてちょっと悔しい。今読んでも参考になるし、これだけの情報の宝庫がネットの闇に葬られるのはもったいないんで騙されたと思ってアーカイブを見てみてください。

 

 EMMO TAKENAWA(音猫シティ)

 http://www.geocities.jp/otonekocity/index2.html 
「EMMO TAKENAWA」(昔は「音猫シティ」でした)。レビューはここです。http://www.geocities.jp/otonekocity/whitesnake_artist.html 最終更新が2014年で、サイトもまだ存続してます。ここの特徴は管理人の方自身がバンドマンという点。自身が対バンしたバンドのレビューなんかもちょこちょこ書いてたりしてて面白い。個人的にはナンバーガールを聞くきっかけになったサイトという点で思い出深いです。あとあぶらだことかkamomekamomeとか巨人ゆえにデカイとか。アングラ感というか、悪そうな雰囲気がプンプン漂ってて好きなサイトでした。レビュー数も多いしジャンルレスでいろいろ聞いてるのに好き嫌いがはっきり書いててとても良い。ポエムはないけどエモがある。

 

COMIC&MUSIC

http://www13.plala.or.jp/comic-music/music.htm

「COMIC&MUSIC」。最終更新は2006年っぽいです。「音楽 ミスチル レビュー 深海」とかで検索してこのサイトがひっかかったのが俺の音楽レビューサイト行脚の始まりです。ここのリンクに「UK STYLE」があったのが元凶。ほかに紹介してるサイトとはだいぶ毛色が違って、90年代JPOPとHR/HMがメインのレビュー対象なサイトです。オリコンのマンスリーチャート感想が読み物として大好きだった。MY BEST Japanese song30とかもザ・個人サイトって感じがあって最高だと思います。チャットもあるぞ!

 

WISH YOU WERE HERE

http://infoseekmirror.web.fc2.com/junn7.at.infoseek.co.jp/wishyou.htm

「WISH YOU WERE HERE」。最終更新は2006年。ピンクフロイドのアルバムまんまなサイト名からわかる通りプログレに強いサイトでした。個人的にはそこまで参考にしてたサイトじゃ無いのですが、上で書いた「UK_STYLE」がここの影響を受けてるということもあり書かねばならぬかなと。一応ボアダムスはここのサイトの影響で聞き始めたような。有名だったので他にもここのサイトを参考にしてた人、結構いるんじゃないでしょうか。何を隠そう、今回の記事を書くきっかけになったサイトでもあります。unsnuffさん(http://www.unsnuff.com/)というtwitter以外はイケてるソロミュージシャンがいるのですが、半年前くらいに彼のやってるバンドCITRUS NOWHERE(http://citrusnowhere.wixsite.com/citrusnowhere)を匿名希望の企画ライブに呼んだ際、打ち上げでこのサイトの話題が出てとても懐かしくなるというドラマティックなイベントがあり、それ以来音楽レビューサイトのことをそのうち書きてーなーとモヤモヤしていた結果がこの記事になります。

 

おまけ

ちなみにそのunsnuffさんがこの間書いてた「2017年個人的ベストアルバム20」がとてもイケてたのでついでにリンク張っときます。

http://unsnuff.hatenadiary.jp/entry/2017/12/30/204831

イケてる音楽レビュー記事なのですが、ブログです。個人サイト全盛の時代はとうに過ぎ去ってしまった。まあHTML書くのクソだるいもんね。俺も絶対やりたくない。ブログ万歳。文明は進歩してる。ちなみに冒頭で貼った我がバンド、匿名希望のサイトはリーダーのゲーカーナトゥミお手製なのですがめっちゃ凝ってるので見てね。よくこんなクソめんどくさそうなサイト作ったなといつ見ても思う。では。